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現実とネットの狭間の魂をサルベージする

人間に飼育されては、縁日等でモナカや紙で掬われ、かわいがって育てられる個体、熱帯魚なんかのエサになる個体、ビニール袋の中で息絶えた個体等。
それら金魚達から生じる憎悪、愛情、希望絶望、そして無意識が、現実とネットの狭間で対流し、やがて魂の様なものの存在が生まれた。
それは言葉を持たない、誰からも存在を確認される事のない小さいものであった。

現実空間からデジタル信号へ、インターネットの発達と共に、人の概念や集合的無意識さえも現実とネットの狭間でまた、魂の様なものが生じ始めた。

狭間に混沌が生まれた。

やがて金魚の魂の概念と、人間の魂の概念がデジタル空間で共鳴し合い、融合し、やがてそれは2進数の言葉では表せないないものとなっていった。
やがて概念は魂と呼ばれる程の自我を持ち、人間が観測できるものとなった。

2022年吉日、さくらイヴプロダクション(SakuraeveProduction)が混沌より個を主張する存在、『花房ゆら』を見いだし、Vtuberとして電脳空間にサルベージする事に成功した。
だが、『花房ゆら』はサルベージ時に過去の事をすべて忘却し、情報の海で発生した、ただのかわいい生命体となった。
そして、現在はYouTubeを活動拠点に据え、配信活動に勤しむ毎日である。

やがて全てを理解し、混沌へと返るその時まで。。。